3日間かけDVD視聴 裁判員裁判、初の差し戻し審

2013/1/28付
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 仙台市の「遺体なき殺人事件」で強盗殺人罪などに問われ、裁判員裁判で初めて審理の差し戻しが確定した横浜市の無職、小谷野裕義被告(40)の公判が29日、仙台地裁で始まる。差し戻し前の審理内容を把握するため、裁判員は、以前の公判での証人尋問などを録画したDVDを3日間かけて法廷で視聴する。

 こうした手続きは「公判手続きの更新」と呼ばれ、通常、裁判官が期日外に審理記録を読むなどして済ませることが多い。大量の記録を裁判員が読み込むのは負担が大きく、課題となっていた。

 弁護人によると、法廷で調書を読み上げる方法もあったが、裁判員への分かりやすさという点を重視し、弁護側がDVD視聴を提案。裁判所、検察側も同意した。5日間の審理のうち3日間かけて視聴することになる。

 弁護人は「映像だと発言者の表情も見え、再現資料として最適」と理由を話す。仙台地検幹部も「直接主義が原則だがDVD視聴は一つの落としどころ」と理解を示す。

 仙台地裁では東日本大震災で中断し、裁判員を選び直して昨年8月に再開した裁判員裁判でも、中断前の審理を録画したDVDを再生。視聴時間は6日間の審理で計約16時間にも及んだ。終了後、裁判員経験者から「目が疲れて頭が混乱した」「直接質問したかった」などの意見が出ており、今回も裁判員が同じ感想を抱く可能性がある。

 小谷野被告は2004年9月、ほかの男らと共謀し、仙台市の山林で風俗店経営の男性(当時30)を殺害、約5千万円を奪ったなどとして起訴された。男性の遺体は見つかっていない。

 一審判決は強盗致死罪などを適用、懲役15年(求刑無期懲役)としたが、二審・仙台高裁は「殺害現場で強盗殺人の意思を共犯者と暗黙裏に通じ合っていたかどうか、判断していない」と審理不十分を指摘し破棄、差し戻した。最高裁で昨年、差し戻しが確定した。〔共同〕

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