2019年2月23日(土)

地震対策、総動員で 南海トラフ・首都直下の対策地域指定

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2014/3/28付
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政府は28日の中央防災会議(会長・安倍晋三首相)で、全国で一体的に地震対策を進めるため「大規模地震防災・減災対策大綱」を定めた。南海トラフ地震と首都直下地震の基本計画も作り、両地震の対策を進める地域として重複を除き924市区町村を指定。非常用発電設備室や備蓄倉庫の整備のため容積率を緩和したり、津波避難施設の整備費の国庫補助率をかさ上げしたりし、防災を推進する。

3年前の東日本大震災で当時の想定を超える大きな被害が出たことを踏まえ、東海地震、首都直下地震など5つあった地震大綱を一本化。地震大綱のあり方や基本計画を抜本的に見直した。

安倍首相は中央防災会議の冒頭、「大規模な災害から国民の命、財産を守るため、備えをしていくことが重要。政府一丸となってスピード感を持って対策を進めていく」と述べた。

南海トラフ地震で最大33万2千人(2012年の想定では32万3千人)と想定した死者数を10年間で8割減らす目標を掲げた。首都直下地震の減災目標は今後詰める。

南海トラフでは関東から九州・沖縄までの29都府県の707市町村を防災対策推進地域に指定。このうち沿岸部の139市町村を津波対策の特別強化地域とした。

首都直下では東京、神奈川など10都県の310市区町村を緊急対策区域に指定。このうち東京都の千代田、中央、港、新宿の4区は首都中枢機能を維持するため特別地区に指定した。

政府は自治体や民間に防災対策を促すため、規制緩和や国庫補助金の上積みをする。

首都直下の特別地区に指定した4区は昼間に人口が集中するため、一時滞在施設の整備が急務。このため、防災に役立つ再開発や土地区画整理事業の許認可手続きを簡略化する。また、事業者が備蓄倉庫や非常用発電設備室を設ける場合、容積率の算定から外す。

南海トラフの津波対策特別強化地域では、高台への避難道や避難タワーの整備を進めるため、費用の国庫補助率を2分の1から「3分の2」に引き上げる。14年度は国費100億円増を見込む。沿岸部の集落が高台に集団移転する場合、農地法の特例として農地を宅地等に転用しやすくする。

日米共同統合防災訓練で、護衛艦内で治療の手順を確認する災害派遣医療チーム=7日午後、高知県土佐市沖

日米共同統合防災訓練で、護衛艦内で治療の手順を確認する災害派遣医療チーム=7日午後、高知県土佐市沖

一方、指定地域では新たな義務も課した。南海トラフの防災対策推進地域に立地するホテル、百貨店、病院など不特定多数が利用する施設で、津波で30センチ以上の浸水が想定される場合、施設管理者に避難計画を都府県知事へ6カ月以内に提出することを求めた。

防災対策の指標も定めた。全国の住宅の耐震化率を20年までに95%(08年推計79%)に高めることや、公立学校の耐震化率を15年度までに100%とするなどの方針を明記した。

政府は首都直下地震を想定した初の「政府業務継続計画(BCP)」も作った。外部から1週間、補給がなくても業務ができるよう電力や食料を確保する。非常時優先業務として、被災地支援のほか、金融システムの確保、防衛・治安の維持、外交など6分野を優先することも決めた。

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