2019年4月25日(木)

アホウドリのペア復縁、ひな誕生なるか 小笠原・聟島

2013/8/26付
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小笠原諸島・聟島(むこじま)で昨年11月から2カ月間も絶食して卵を抱き続けた国の特別天然記念物アホウドリの雄が、"仲たがい"したとみられた雌と再びつがいになり、研究者を驚かせている。昨年の卵は結局ふ化せず、繁殖はかなわなかった。今年の繁殖期は10月から。不思議な復縁カップルに、今度こそひなは誕生するのか。

この雄は5歳。絶滅が危ぶまれるアホウドリの新たな繁殖地を無人島の聟島につくる計画で、生息地の伊豆諸島・鳥島から移送された。野生の雌とつがいになり、昨年11月、聟島では初の産卵が確認された。

アホウドリのつがいは通常、1週間ごとに交代で卵を抱き、抱卵しない間に魚介類などを食べて体力を蓄える。だが雄は交代せず絶食状態で卵を抱き続けた。ふ化予定日を迎えた今年1月、山階鳥類研究所(千葉県)の研究員が卵を取り上げると既に腐っていた。

当初は雌が"育児放棄"して姿を消したとみられていたが、NHKが長期間設置していたカメラの映像を同研究所が分析したところ、雌は1週間に1回程度、巣に戻っていたことが分かった。それを雄が激しく鳴いて威嚇し、くちばしにかみついて追い払っていたのだ。

「雌は抱卵させてほしいと懇願するように何度も巣に近づいた」と同研究所の佐藤文男研究員。「つがいの雄が雌を追い払うのも異例なら、あれだけ激しく攻撃した後によりを戻すのも不思議。こんなケースは初めてだ」と驚きを隠さない。

卵がなくなった後の2羽は「吹っ切れたように仲むつまじく、以前より頻繁に求愛ダンスをしている。理由は分からないが、卵が不仲の原因だったのではないか」と推測する。

アホウドリは基本的に生涯同じパートナーと寄り添い、毎年卵を1つだけ産み育てる。ひなが誕生すれば、新繁殖地形成の大きな一歩となるだけに、同研究所は謎に満ちたカップルの様子を注意深く見守る予定だ。〔共同〕

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