民間有人飛行へ夢ふくらむ 宇宙ステーションにドッキング
【ヒューストン(米テキサス州)=共同】米宇宙ベンチャー「スペースX」の無人宇宙船ドラゴンが25日午前(日本時間26日未明)、民間機として初めて国際宇宙ステーションのドッキングに成功した。同社はドラゴンを有人宇宙船にも活用する方針。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO、40)は記者会見で「歴史的な一歩。ドラゴンで3年後に有人宇宙飛行を実現したい」と述べた。
ドッキングでは、ステーションの飛行士が操作するロボットアームが延びて、ドラゴンをつかまえた。その後、接続部同士をつないだ。
日本の無人補給機「こうのとり」のドッキングにも使われている方式で、米航空宇宙局(NASA)が安全性などを高く評価し、ドラゴンにも採用した。
ドラゴンは試験機だが、食料など約520キロの物資も搭載。安全性を確認した後、飛行士がハッチを開いてドラゴンの内部に入り、物資を移送する。
引退したスペースシャトルの後継として、ステーションへの物資補給を担う民間機の第1弾。ステーションに発着できる補給機の中では唯一、大気圏突入時の高熱に耐えて、物資を地球に持ち帰ることができるのもドラゴンの特長。
ステーションで不要になった実験器具や使用済みの宇宙服などを積み、31日に米西海岸沖の太平洋に帰還する予定。
ドラゴンは2015年までに12回、ステーションに物資を運ぶ計画で、日欧の補給機と比べ頻繁に打ち上げられることが強みという。
マスク氏は、同社の管制室があるカリフォルニア州で記者会見。「ドラゴンで3年後に有人宇宙飛行を実現するとともに、宇宙船やロケットの再利用を進めたい」と語った。