吉光の名刀「岡山藤四郎」、都内に所蔵 銘の特徴一致

2013/5/26付
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豊臣秀吉や徳川家康を経て尾張徳川家に伝来した後に所在不明だった「岡山藤四郎(おかやまとうしろう)」とみられる短刀を東京国立博物館が所蔵していることが、同博物館の酒井元樹研究員の調査で26日分かった。

岡山藤四郎は、鎌倉時代、短刀の名手として知られた京都の刀工「粟田口吉光(あわたぐち・よしみつ)」の作品。吉光の刀剣は江戸時代に将軍と大名との間で授受され、作品の一部は皇室の所蔵物や国宝になっており、岡山藤四郎もそれらに並ぶ名刀として評価されていた。

江戸時代に記された名物刀剣リスト「享保名物帳」は、岡山藤四郎を「不知代(だいしらず)」として値が付けられないほどの名刀と位置づけ、刃長8寸5分(約25.5センチ)、刀に2本の直線「護摩箸」が彫られていると記述。

前田利家が金15枚で購入し秀吉に献上。秀吉の死後に小早川秀秋が拝領し、徳川家康に渡ったと記す。短刀の名は小早川秀秋が岡山城主だったことと、吉光の通称「藤四郎」に由来する。

今回調査した短刀(刃長25.8センチ)は、以前、皇室が所蔵、終戦後に東博所蔵になったことは分かっていたが、短刀の詳しい歴史は不明だった。

2010年、徳川美術館(名古屋市)の調査で、この短刀が幕末に尾張徳川家14代の徳川慶勝から親王(のちの明治天皇)に献上されたことが判明。さらに東博が調べたところ、刃の長さのほか、護摩箸や「吉光」と彫られた銘が岡山藤四郎の特徴と一致した。

刀剣の手入れをしていた酒井研究員が「これほど美しい刀剣なら昔の文献に載っているはず」と調べたのがきっかけだった。

酒井研究員は「さえのある上品な光り方が素晴らしく、慶勝が献上した刀剣の可能性が極めて高い」と話している。〔共同〕

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