2019年5月22日(水)

被曝限度「生涯100ミリシーベルト」 食品安全委が答申へ
暫定規制値見直しも

2011/7/26付
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食品に含まれる放射性物質が健康に与える影響について、内閣府の食品安全委員会の作業部会は26日、「通常の一般生活で受ける放射線量を除き、生涯の累積線量が100ミリシーベルト以上で影響が見いだされる」とする評価書で合意した。評価書では「小児はより影響を受けやすい可能性がある」とも指摘。食品安全委は同日、この評価書を了承した。

安全委は評価書について国民の意見を聞いた上で、厚生労働省に答申する方針。

福島第1原子力発電所の事故を受けて厚労省が策定した被曝(ひばく)の暫定規制値は1年間に受ける放射線量の限度を基準としている。例えば放射性セシウムは年間5ミリシーベルトを上限としている。答申が生涯の累積線量を基準とした場合、厚労省が暫定規制値を見直す可能性もある。

「年間5ミリシーベルト」は食品安全委が3月末の緊急とりまとめで示した基準だが、単純計算では年間5ミリシーベルトを浴びると、累積で100ミリシーベルトに達する期間は20年になってしまう。

評価書の基準は内部被曝だけでなく、通常の一般生活で受ける放射線量を除いた外部被曝も含んでいる。このため作業部会の評価書を基に生涯で100ミリシーベルトを上限にすると、年間1ミリシーベルトよりさらに厳しい規制になる可能性もある。

ただ作業部会座長の山添康・東北大教授(薬学)は「現在の規制値はかなり厳しい」と指摘。食品中の放射線量が減少していることや生涯の累積線量を考えれば「現在の規制値を極端に変更する必要はないのではないか」との見解を示した。

また作業部会が根拠とした論文は、広島や長崎の原爆で瞬間的に100ミリシーベルトの放射線量を浴びた場合にがんになるリスクが高まるというデータに基づいている。作業部会では「瞬間的に浴びた放射線量の基準を、低い線量の放射線を長期間浴びた場合の基準にするのはおかしいのではないか」という意見も出た。

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