「車いす移動に適さない」との声も パラリンピック選手村

2012/8/26付
保存
共有
印刷
その他

【ロンドン=共同】29日に開会式を迎えるロンドン・パラリンピックの日本選手団は23日に選手村で入村式を行ったが、選手団役員からは「宿舎のすべてが障害者向けになっているわけではない」と物足りなさを指摘する声が上がっている。大会後の再利用を前提とした設計が原因との見方がある。

選手村はパラリンピック選手の使用を念頭に建設されたため、五輪後に増改築するような大きな変化は見られない。選手村の広報担当者によると「宿舎の一部の風呂場に手すりを付け、転倒防止用のマットを用意したくらい」という。

しかし、選手団の陸上チーム関係者は「宿舎の廊下や出入り口は狭く、車いすの移動に適していない」と不満を漏らし、役員の一人も「トイレや風呂場が車いすの選手に対応している部屋は一部にすぎない」と明かす。

宿舎全体が車いす向けではない原因として選手団関係者が考えているのが、大会後に宿舎をマンション型住居として販売、または賃貸するという計画だ。

高額となることが予想される広い部屋ばかりでは空室が多くなり、部屋数を増やすために無駄なスペースを減らしているようだ。選手が暮らす部屋の間取りや広さはさまざまで、別の役員は「購入者の多様な希望に応えるためだろう」とみる。

手を伸ばせば洗面台にぎりぎり届き、腕の力を使えば何とか風呂に入れるといった状況。「障害の軽い選手には我慢してもらっている」と選手団役員の一人は申し訳なさそうに話すが、「選手から不満の声はまだ出ていない」というのが救いだ。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]