2019年8月26日(月)

生き方再考「三十路式」 絆確認、地域のつながりも

2014/1/27付
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成人式から10年後の節目を祝う「三十路式」を開く試みが、全国に広がっている。地元を離れて疎遠になった同級生との絆の確認や、地域社会のつながりの強化が狙い。専門家は「経済的にも自立する時期。業種や立場を超えた交流は、生き方を振り返るよい機会になる」と分析している。

「成人式では誰も話を聞いてくれないが、大人の皆さんは真剣に耳を傾けてくださる」。新潟市で1月に開かれた三十路式で篠田昭市長があいさつすると、約100人が集まった会場は笑いに包まれた。

大型スクリーンには、参加者が生まれた1983年以降に流行した映画やアニメ、事件事故などの映像が次々に映し出された。ワインや日本酒を酌み交わし、映像を見ながら当時のエピソードを語り合うと、初対面でも自然に笑みがこぼれる。

着付けやネイルアートのブースもあり、華やかな中にも落ち着いた雰囲気。一気飲みなどで羽目を外す人はおらず、景気や子育てなど「大人の会話」で盛り上がった。

新潟市の看護師、山井瑶子さん(30)は、ピンク色の晴れ着に身を包み「同い年なのにお母さんになっていたり芸能人になっていたり、いろいろな人がいて驚いた」と声を弾ませた。

発起人の会社員、初瀬義一さん(30)は昨年10月、北海道や大阪府で三十路式が開かれたのをインターネットで知り、友人と協力して実行委員会を立ち上げた。来年以降の開催も視野に、ノウハウを29歳のメンバーに引き継いで定着を図る。

神奈川県平塚市では昨年1月、近隣の町と合同で初の三十路式が開かれ、約300人が集まった。実行委員だった平塚市議の数田俊樹さん(31)は「地元を離れた同級生も多い。イベントを増やし、帰るきっかけにして地域活性化につなげたい」と話す。今年も26日に大磯町で開催され、約570人が参加した。

広島大大学院の岡本祐子教授(発達臨床心理学)は「20歳は心理的にも経済的にも、まだ大人ではない。就職などで社会的な居場所が定まり、アイデンティティーが形成された時期の交流は、自らの生き方への刺激になるはず」と話している。〔共同〕

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