2019年1月24日(木)

昨年の衆院選「広島1、2区は無効」 広島高裁判決
国政選挙やり直しは戦後初

2013/3/25付
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最大2.43倍の「1票の格差」があった昨年12月の衆院選を巡る訴訟の判決で、広島高裁は25日、小選挙区の区割りを違憲と判断し、広島1、2区の選挙を無効とした。政治的な混乱を避けるため、今年11月27日に効力が発生するとして8カ月の猶予期間を設けた。投票価値の不平等を理由に国政選挙のやり直しを命じたのは初めて。判決は「最高裁の違憲審査権が軽視されている」として、国会の不作為に強い警告を発し、抜本的な格差是正を求めた。

広島1区の当選者は外相の岸田文雄氏(自民)、2区は平口洋氏(同)。被告の広島県選挙管理委員会は上告する方針で、無効判決が確定しない限り2人は失職しない。一連の訴訟で小選挙区についての判決は8件目で、違憲判断は6件目。最高裁大法廷が他の訴訟と合わせて、今夏にも統一判断を示す見通し。

訴訟は弁護士グループが広島1、2区の選挙無効を求めて提訴。筏津(いかだつ)順子裁判長は無効判断の理由として「投票価値の平等に反する状態は悪化の一途をたどり、民主的政治過程のゆがみは重大」と述べた。

衆院選を巡り、最高裁大法廷は2011年3月、最大格差2.30倍だった09年選挙は投票価値が不平等で「違憲状態」と判断。都道府県に最初に1議席ずつ割り振る「1人別枠方式」が人口比例配分をゆがめているとして、同方式の廃止を求めた。しかし、昨年12月16日の選挙で定数配分は変更されず、格差は2.43倍にまで拡大した。

筏津裁判長は判決で、11年の最高裁判決から1年半後となる昨年9月までに区割りを是正すべきだったと指摘。「合理的期間内に是正されなかった」ことを理由に、違憲と判断した。

そのうえで選挙の有効性を検討。09年選挙から格差が拡大しただけでなく、格差が2倍以上の選挙区も45から72に急増した経緯を重視し「憲法上許されるべきでない事態に至っている」として選挙のやり直しを命じた。

無効の効力については、区割りの是正が、無効となった選挙区の選出議員不在で進む事態が起こることなどから「直ちに無効とすることは相当ではない」と判断。一方で「選挙無効の状態を長期間放置すれば、政治的混乱を招く」といった点なども考慮し、区割り見直し作業を衆院選挙区画定審議会が始めた昨年11月26日から1年後に効力が発生すると結論づけた。

昨年衆院選を巡っては、2つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に同様の訴訟を起こしている。27日までに小選挙区では計16件の判決が言い渡される予定で、今回は8件目。これまで東京高裁、札幌高裁、仙台高裁、名古屋高裁金沢支部、高松高裁が「違憲」、名古屋高裁、福岡高裁が「違憲状態」と判断。いずれも無効請求は棄却していた。

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