電子書籍にも出版権、海賊版に差し止め請求 改正著作権法成立

2014/4/25付
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出版社が作品を独占的に発行できる「出版権」を電子書籍にも拡大する著作権法改正案が25日の参院本会議で可決、成立した。コピーなどで出回るインターネット上の海賊版に対し、作家に代わって出版社が差し止め請求できるようになる。海賊版を減らすとともに、電子書籍の普及を促すのが狙い。来年1月に施行する。

改正法では、出版社が作家など著作権者と電子出版権契約を結べる。契約を交わした出版社は海賊版の差し止め請求ができるようになり、一定期間内に電子書籍を出版する義務も負う。

これまで出版権は紙の出版物にしか適用できなかったため、ネット上の海賊版は著作権者本人が差し止め請求するしかなかった。業界団体の日本書籍出版協会(東京・新宿)などの推計によると、2011年は少なくとも270億円のネット上の海賊版被害が生じていた。

改正法は海賊版対策に効果が見込めそうだが、そのためには新制度による契約が広がる必要がある。ネット上の海賊版被害が多い雑誌連載コミックなどは、売れ行きを見極めてから単行本などの出版権契約をすることが多く、侵害対応が後手に回る恐れが指摘されている。

出版社と作家の間では、契約書の作成自体が徹底されていない面もある。状況を改善するため、昨年から出版社と作家の団体は、出版権契約のひな型作りを始めるなど対応に乗り出している。契約を巡る紛争解決の仕組みも検討中だ。

米国では出版市場全体の3割を電子書籍が占めているといわれる。一方、調査会社のインプレスビジネスメディア(東京・千代田)によると、13年度の日本国内の電子書籍・雑誌の販売額は1010億円で、書籍販売全体の6%程度にとどまる。改正法で、電子書籍の海賊版対策や品ぞろえ拡大に弾みがつきそうだ。

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