2018年11月16日(金)

冬の深夜・強風下、南海トラフ地震の死者最大32万人に
東海地方の被害が大きいケース

(1/2ページ)
2012/8/29付
保存
共有
印刷
その他

東海沖から日向灘にかけての「南海トラフ」を震源とする巨大地震で、死者が最大32万人に達するとの推計が29日公表された。東日本大震災を大きく上回るとされる被害想定は、「千年に一度」の最大級地震が起きた場合の数字で、次に発生する地震・津波の被害がこうなるというものではない。推計結果を正確に理解したうえで、防災対策を着実に進めることが重要だ。

被害想定で内閣府は(1)東海、近畿、四国、九州の4地方のいずれの被害が大きい地震か(2)発生場所は陸に近いか遠いか(3)発生時刻(冬の夕方、深夜、夏の正午)(4)風速(平均風速、風速秒速8メートル)(5)早期避難率の高低――で場合分けした96ケースを推計。死者は最も多い場合で32万3千人から最少3万2千人まで大きく変動するが、最少でも東日本大震災を大きく上回るとしている。

時間帯別で被害が大きくなるのは、冬の深夜に地震が起きた場合。在宅率が高い上、多くの人が就寝していて、避難に移るまでの時間が日中に比べて3倍の15分程度かかるためだ。冬場は気温が低いため、津波から逃れても低体温症などで死亡する人も増える。半面、在宅率の低い夏の昼間の被害は小さくなる。

通常より強い秒速8メートルの風が吹くと、延焼が進み火災の死者が増える。地震のタイプ別では、人口が多い上、津波が短時間で到達する東海地方の被害が大きい地震で被害が拡大する。

死者が最多の32万3千人になるのは、東海地方の被害が大きい地震が冬の深夜に発生し、強風のケース。内閣府は「津波などで堤防・水門が機能不全になると、さらに2万3千人増える可能性がある」としている。

死因別では津波が23万人と最多で、全体の71%に達する。次いで建物倒壊が25%の8万2千人、火災は1万人と見込む。

死者は関東から九州・沖縄まで30都府県で発生するとみられる。内閣府は地域別内訳は「マクロの被害を把握する目的のため」として都府県単位のみ公表し、市町村単位の数値は示していない。

  • 1
  • 2
  • 次へ

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報