大阪市教委、セクハラの公募校長の復帰認めず
大阪市立小の民間人男性校長(59)が保護者へのセクハラ行為で更迭された問題で、市教育委員会は25日、前校長の現場復帰を認めないことを決めた。研修後に復帰させる方針だったが「研修成果が不十分で、職責を全うできるとは考えがたい」と判断。同日、市教委が前校長に結果を伝えて退職勧奨したところ、退職する意向を表明した。
公募で4月に就任した民間人校長は任期付き採用で、市教委は前校長を降格したり職種を変えたりすることができない。そこで市教委は自主退職を求める異例の判断をした。自ら辞職しなければ、分限免職の可否を検討する予定であることも前校長に伝えたという。
前校長は9月11日に市教育センター付に異動。今月22日まで再発防止の研修を受けた。今月22日に教育委員が面談したが、「現場復帰にむけた課題を直視できておらず、研修の成果は十分でない」と判断した。
市教委によると前校長は5~6月にPTA役員の母親に「君の気持ちを聞かせてよ」などの不適切なメールを複数回送信。親睦会で2回体を触ったほか、こども会主催のバーベキューなどでも10代少女や別の母親に不適切な発言を繰り返したとされる。
市人事監察委員会は「停職1カ月が相当」との意見を出したが、教委会議で異論が出て減給10分の1(6カ月)の懲戒処分が決定。市教育センター付にして研修を受けさせていた。
公募校長を巡っては6月、別の校長が「市教委のビジョンが見えず不満」などとして就任から3カ月で辞職。ほかにも校長が教頭に謝罪を求め、教頭が土下座した事例や、必要な手続きなしに勤務時間内に外出した事例など、問題の指摘が相次いでいる。