東海大が12億円所得隠し 東京国税局が指摘
学校法人「東海大学」(東京・渋谷)が東京国税局の税務調査を受け、2011年3月期までの6年間に約12億円の所得隠しを指摘されていたことが25日、分かった。「霞が関ビル」(同・千代田)の上層階に入居している飲食・会合施設「校友会館」について、東海大が肩代わりしていた家賃の一部が関連会社への寄付金にあたるなどと認定された。
経理ミスなどを含めた申告漏れの総額は約22億円。過去の赤字分と相殺され、重加算税を含む法人税の追徴税額は約8千万円だった。東海大は「国税当局の指摘を受けて修正申告し、納税した」としている。
関係者によると、高級レストランや宴会・会議場を備える校友会館の家賃は年間約4億円で、東海大がビル所有会社に支払っている。東海大はフロアを、校友会館を運営する関連会社、霞ケ関東海倶楽部(同)に転貸。家賃は受け取らず、業務委託料の名目で同社から年間約2億5千万円を受け取っていた。
東京国税局は業務委託の実体がなく、約2億5千万円は家賃にあたるとした上で、周辺相場より安く、6年間で少なくとも約6億円に上る差額は関連会社への寄付金にあたると認定。09年にビルのフロアを移った際の内装工事費約6億円についても、東海大が収益事業の資産として減価償却する必要があったのに、10年3月に損金計上して所得を圧縮したとして、重加算税の対象としたもようだ。