2019年5月21日(火)

ラマダンも酷暑で異変 気温40度超、断食中断も

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2010/8/28付
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ドバイなどでは近年の開発ラッシュを背景に、ラマダン中の建設労働者の健康問題が指摘されていたが、今年の深刻な状況を受けて各国の政府なども対策に乗り出した。

ドバイ政府は、7~8月の午後に約3時間の休息を労働者に与えるよう定めた規則の適用期間を1カ月延長。UAE政府の宗教担当部門は8月、「健康に害が及びそうな場合は断食を早めに切り上げてもよい」とする異例のファトワ(宗教令)を出した。カタールでも8月、高位聖職者がラマダン中の建設作業自体の中止を求めた。

ただ、そうした対策や警告が、ムスリムの労働者すべての理解を得ているとは言い難いようだ。

インド出身の建設労働者ファイザルさん(38)は「ファトワに従い、本当に厳しいときには断食を中断するかもしれない」と話すが、少数派。ドバイ近郊の建設現場で働くインド人のアルバーシャさん(37)は「ラマダンは貧しい人々の気持ちになる神聖な期間。つらいのは当然」。こうした声が大多数だ。バングラデシュ人のシュハイドッラさん(40)も「先日も同じ現場の仲間が倒れたが、私は経験が長いので大丈夫」と話す。

医師のアクターさんは「(労働者がよく聞く)ラジオを通して繰り返し体調管理の重要性を訴えていくしかない。雇用主に理解を求めることも、私たちの重要な仕事だ」と訴える。酷暑のラマダンは、雇用者や労働者に意識改革を迫っている。

(ドバイ=太田順尚)

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