2019年5月27日(月)

ラマダンも酷暑で異変 気温40度超、断食中断も

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2010/8/28付
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中東のイスラム教諸国で、年1回のラマダン(断食月)に異変が起きている。今年は9月上旬までの約1カ月間だが、現地は日本と同じく記録的な猛暑。炎天下での仕事に慣れているはずのイスラム教徒(ムスリム)も「こんなに暑いラマダンは初めて」と口をそろえる。各国は飲食を絶って働く労働者の体調不良を懸念し、断食中断を容認する宗教令を出すなど異例の対応を迫られている。

建設途中の高層ビルが立ち並ぶアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の新興開発地域。強烈な日差しに多くの労働者が頭にタオルを巻き、暑さをしのぐ。

ムスリムのインド人労働者、ムハンマドさん(45)は「15年前にドバイに来たが、こんなに暑い夏は記憶にない」と汗をぬぐう。最高気温が50度前後に達した7月よりは若干、暑さが和らいだとはいえ、日中は40度を軽く超える。地元紙も今年のラマダンを「この四半世紀で最も暑い」と記している。

ただでさえ過酷な環境。さらにムスリムはラマダンの期間中、日の出から日没まで一切の飲食を絶っている。ドバイに来て初めての夏を迎えるというインド出身のアハメドさん(25)は「この暑さの中での断食はとても危険に思える」と話す。

「暑さに加え、栄養管理の不足が深刻な事態をもたらしている」。港湾などが位置するジュベルアリ地区の病院に勤める医師のアクターさん(32)は指摘する。

この病院には連日、5、6人の労働者が熱中症や脱水症状で運び込まれる。「ふだんは食事に気を使う糖尿病などの人も、日没後に集中的に飲食し高揚感も高まるラマダン中は持病を忘れがちになる」とアクターさん。「十分な休息と水分を取り、体調管理をしなければならないのだが……」と顔をしかめる。

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