働くがん患者32.5万人、厚労省初の推計 支援策検討へ

2014/2/25付
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がんにかかった後、治療を受けながら働いている人が全国で約32万5千人いることが、25日までにわかった。厚生労働省が初めて推計したデータで、勤労者全体の0.5%を占める。男性は60代、女性は50代が最も多い。がんは日本人の死因トップが続く一方、医療の発達で生存率は上昇しており、治療と仕事を両立できる社会の構築が一段と求められている。

働いているがん患者の数は、厚労省が2010年の国民生活基礎調査を基に推計した。男性は14万4千人、女性は18万1千人で、女性の方が多い。年代別でみると、男性は60代が6万1千人と全体の約4割を占め、50代(3万4千人)、70歳以上(3万2千人)と続く。女性は50代の7万人が最多で、40代(5万人)、60代(3万4千人)の順だった。

がん患者の28%が従業員1千人以上の大企業か官公庁に勤務している一方、勤務先が「従業員1~29人」の人は26%、「100~499人」は19%。企業の規模にかかわらず、がん患者が就労している実態が浮かび、上司や同僚らの理解や支援が必要となっている。

がんは、心疾患や肺炎、脳血管疾患といった国民の主な死因の中でも、死亡率は1981年以降、一貫してトップ。11年には約36万人が、がんで死亡した。

同省によると、現役世代(20~64歳)では1年間に、約22万人が新たにがんに罹患(りかん)し、約7万人が死亡している。一方、放射線療法など医療技術が発達し、診断されてから5年後に生存している割合(5年生存率)は6割近くまで上昇している。

同省研究班が行った04年の調査では、がん患者の30%が依願退職し、4%が解雇されたとのデータもあり、「働く意欲のあるがん患者を支える仕組みづくりが急務」(同省)になっている。

政府は12年6月に閣議決定したがん対策推進基本計画の目標に「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」を掲げ、「働く世代へのがん対策の充実」を重点課題に位置付けた。厚労省は、がん患者の就労支援のあり方について専門家による検討会を設けて議論しており、今夏をめどに支援策をまとめる方針だ。

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