船橋市職員、情報漏洩の疑い 愛知県警が逮捕
住民の氏名や生年月日、離婚歴を探偵業者に漏らしたとして、愛知県警捜査2課などは24日、千葉県船橋市市民税課の非常勤職員、江藤ひろみ容疑者(48)=同市行田2=を地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕した。
また江藤容疑者に漏洩を依頼したとして、別の漏洩事件で起訴された探偵業、西岡貞人被告(49)=千葉県鎌ケ谷市東鎌ケ谷1=を同法違反(唆し)容疑で再逮捕した。同課によると、両容疑者とも容疑を認めている。
同課は江藤容疑者が報酬を受け取っていた疑いもあるとみて、贈収賄容疑も視野に調べる。
江藤容疑者の逮捕容疑は2010年8~11月、市役所の端末を操作して船橋市民2人の個人情報を閲覧。20代女性の氏名と生年月日、50代女性の離婚歴を、西岡容疑者に教えた疑い。
同課によると、江藤容疑者は03年4月から船橋市役所に勤務し、税金に関する各種証明書の発行業務などを担当。課税対象者の所得などの情報を管理するシステムと、住民票の登録情報を管理するシステムにアクセスすることが可能だった。
西岡容疑者は江藤容疑者から入手した情報を、近隣の依頼者から請け負った浮気や身辺調査などに活用していたとみられる。同課は、江藤容疑者が他の市民の氏名や生年月日のほか、課税情報も漏洩していた疑いがあるとみている。
愛知県警は昨秋以降、車両情報や携帯電話の契約者情報、職歴などの個人情報の漏洩事件を相次ぎ摘発。警察官やハローワーク職員といった公務員のほか、漏洩ルートを束ねて個人情報の取引を仲介する「情報屋」と呼ばれる業者も立件した。今回の市役所職員の逮捕で「個人情報ビジネス」の根深さが一段と浮き彫りになった。