2018年1月24日(水)

染色体「交換」で予防 遺伝性難病のミトコンドリア病

2012/10/25付
保存
共有
印刷
その他

 【サンフランシスコ=共同】全身の臓器の働きが損なわれる遺伝性の難病ミトコンドリア病の女性の卵子から染色体を抜き出し、他人から提供された卵子に移し替え、子どもに病気が伝わるのを防ぐ方法を開発したと、米オレゴン健康科学大の立花真仁研究員らが25日付英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 卵子の細胞質に含まれる異常なミトコンドリアを正常なものと“交換”する。実際に使うには技術・倫理面の課題があるが、立花研究員は「子どもに病気が伝わるのを恐れて出産に踏み切れない女性の助けとなる可能性がある」と話している。

 立花研究員らは、米国内で21~32歳の健康な女性から同意を得て106個の卵子の提供を受け、うち64個に染色体を移し替える操作をし、受精させた。受精卵になった44個のうち19個が胚盤胞と呼ばれる段階まで成長した。胚盤胞は母体に戻せば赤ちゃんになりうる状態。ただ移し替えをしたうち半数で、染色体の数が通常より多くなるなどの異常が起きた。

 アカゲザルの実験では、操作した卵子のほぼ全てで正常な受精卵ができ、受精卵を母体に戻して生まれた5匹の子ザルは異常なく成長した。

 立花研究員は「人の卵子はサルよりこうした操作に敏感らしい。手法を工夫する必要がある」としている。

 ミトコンドリアは卵子を通じ受精卵に伝わり、ミトコンドリア遺伝子に異常があると母親から子どもへの遺伝が懸念される。母親に症状がなくても子どもが発症するほか、病気の母親から健康な子どもが生まれるなど予測が難しい面がある。

日経電子版が2月末まで無料!初割のお申し込みは1月31日まで!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワード



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報