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菅家さん無罪確定 裁判長、頭下げ異例の謝罪

(更新)

栃木県足利市で1990年に起きた「足利事件」で、無期懲役確定後に釈放された菅家利和さん(63)の再審判決公判で、宇都宮地裁の佐藤正信裁判長は26日、無罪を言い渡した。検察側は同日、上訴権放棄の手続きを申し立て、菅家さんの無罪が確定した。逮捕から18年3カ月を経て、冤罪(えんざい)を生んだ審理は終結した。

佐藤裁判長は判決理由の朗読後、「判決は以上ですが、今回は、自戒の意味を込めて菅家さんに謝罪させていただきたい」と切り出し、「菅家さんの真実の声に耳を傾けられず、17年半にわたり自由を奪う結果になったことを、裁判官として申し訳ないと思います」と異例の謝罪。法壇の3裁判官が立ち上がり「申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。

無期懲役か死刑が確定した戦後の事件で、再審無罪となるのは「島田事件」(89年無罪確定)以来、21年ぶり6件目。DNA鑑定や自白を過信した警察、検察、裁判所は、再発防止に向けた刑事司法のあり方の再検証を迫られそうだ。

佐藤裁判長は当時のDNA鑑定と、今回の再審請求審で行った再鑑定を比較。過去の鑑定は「DNA型を識別できるか相当疑問」と指摘。「有罪の根拠となった過去の鑑定書は、証拠としては認められない」と結論づけた。

菅家さんは最高裁での無期懲役確定後、2002年に再審を請求した。再審請求審では、東京高裁が有罪の決め手とされたDNA型について現在の技術で再鑑定。犯行現場の遺留物と菅家さんの型が不一致だったと判明し、昨年6月に再審開始が決定した。

検察側は今年2月の論告で「無罪判決が言い渡されるべきことは明らか」と無罪を求め、「真犯人ではない菅家さんを起訴し、17年余りの長期間服役を余儀なくさせ、申し訳ない」と謝罪した。

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