2017年11月23日(木)

大学生4人に1人、「平均」の意味理解せず
日本数学会 中央値や最頻値との誤解めだつ

2012/2/24付
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 大学生の4人に1人は「平均」の意味を正しく理解していない――。数学者でつくる社団法人「日本数学会」(東京)が大学生約6千人を対象に行った初の数学力テストで、基礎知識や論理的思考力が乏しい学生が多数いることが24日、分かった。大学入試で記述式問題を経験した学生は好成績で、同学会は「入試や授業で記述式の証明問題などを増やすべきだ」と提言している。

 昨年4~7月、国公私立大48校で、新入生を中心に統計や論理、代数など5分野から小中高校で習う基本問題を出題。所属学部やベネッセコーポレーションが算出した大学入試難易度などと合わせて分析した。理工系の学生が約4割を占めた。

 小6で学ぶ平均の定義と性質を尋ねた問題の正答率は76.0%。入試難易度別では、旧帝大など国立の最難関大が94.8%に対し私立で偏差値50以下の大学は51.2~56.0%と差が開いた。中央値(大きさ順に並べたとき中央に位置する値)や最頻値との混同・誤解が目立ち、理工系学部でも18.0%が不正解だった。

 日本数学会によると、理系の高校生が対象の別の調査では、平均を求めさせる計算問題の正答率は9割。同学会は「計算はできても、平均の正しい意味が分からない学生がかなりいる」とみる。

 2次関数のグラフの特徴を挙げさせる問題(高1レベル)は正答と「ほぼ正答」の割合が計53.0%。論理的に記述する力があるかをみるのが狙いで、「曲がった感じのやつ」「細い」といった誤答が続出した。

 定規とコンパスを使って線分を3等分する方法を尋ねる問題は、正答とほぼ正答の割合が計7.6%にとどまった。比例と作図の理解を問う内容で、ほとんどの中3教科書に出ているが、国立の最難関大でも正答率は計22.6%。入試で作図問題の出題が少ないため、指導が十分にされていない可能性があるという。

 テストを受けた学生は学校週5日制導入で学ぶ内容が大きく減った「ゆとり教育」を受けた世代に当たる。同学会は学力検査を課さない推薦入試の広がりも数学の基礎力低下を招いたと分析。

 入試の数学で記述問題を解いた学生ほど正答率が高い傾向があり、「大学は入試をできる限り記述式にすべき。中学・高校でも証明問題を解かせるなど、論理の通った文章を書く訓練を積む必要がある」としている。

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