郵便不正元局長公判、取り調べ検事が出廷 「当時のメモ廃棄」
障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた元厚生労働省局長、村木厚子被告(54)=休職中=の公判が24日、大阪地裁であった。前回に続き、同被告の上司だった元同省部長(58)らを取り調べた大阪地検特捜部の林谷浩二検事(34)が証人出廷し、取り調べ時のメモについて「捜査終了後に廃棄した」と証言した。
林谷検事はこの日の公判で、取り調べ時の状況などを書いた個人的なメモを「プライバシー保護のためシュレッダーにかけ廃棄した」と証言。廃棄を決めた経緯については「だれの指示も受けていない」と述べた。
「メモが今後の公判で証拠開示の対象になると知っていたか」との弁護側尋問に対しては「知っていた」と答える一方、「調書作成に必要な部分をメモしただけで、調書とおおむね同じ内容」と述べ、証拠隠滅の意図は否定した。
一方、同検事は18日に証人出廷した際、供述を強要したかについて「一切なかった」などと否定。証明書発行に国会議員の口添えがあったと捜査段階で認めた元部長の供述について「元部長が自ら切り出した」と述べ、信用性を強調していた。
これまでの公判では、村木被告の元上司ら厚労省関係者や偽造証明書の交付を受けた自称障害者団体の関係者らが証人出廷。村木被告の関与を認めるなどした捜査段階の供述調書の内容を相次ぎ否定。検察側は供述調書の信用性を立証するため、29日も厚労省関係者を取り調べた検事らを証人尋問し、取り調べの適正さなどを立証する方針。