認知症の高齢者、300万人超す 10年で倍増
厚労省推計
認知症の高齢者が300万人を超えたことが24日、厚生労働省の推計で分かった。149万人だった2002年から10年間で倍増しており、65歳以上人口に占める割合は約10%になった。従来の予測を上回って急増しており、厚労省は来年度から5カ年計画で新たな認知症対策に乗り出すとしている。
調査は10年時点の介護保険の要介護認定のデータから、日常生活で何らかの介護や支援が必要な認知症の高齢者の現時点の人数を推計した。
10年時点の人数は280万人(65歳以上人口に占める割合は9.5%)だったが、現在は305万人に達したとみられる。さらに15年に345万人(同10.2%)、20年に410万人(同11.3%)、25年に470万人(同12.8%)と、人数・割合ともに今後も上昇が続くと見込んでいる。
02年データに基づく前回推計では10年に208万人、25年に323万人としていたが、大幅に上回った。高齢化が一段と加速したほか、認知症への社会の理解が深まり、受診する高齢者が増えたことも一因とみられる。
厚労省は6月、新たな認知症対策を発表し、初期段階から専門家でつくる支援チームが家庭訪問したり、全国300カ所に早期診断できる診療所を新たに整備したりするとしていた。同省は、今回の推計を踏まえて体制整備を急ぐ必要があると判断し、近く5カ年計画をまとめる方針だ。