「白鳥事件」更新続く最古の逮捕状 札幌で60年前に警官射殺
札幌市で1952年、札幌市警の警備課長、白鳥一雄警部(当時36)が射殺された「白鳥事件」から60年が過ぎたが、有効なものの中で日本最古とされる逮捕状の更新手続きは今も続いている。潜伏先の中国で死亡したと伝えられる元北海道大生の鶴田倫也容疑者と佐藤博容疑者について、中国公安当局から確認が取れないからだ。
道警などによると、刑事訴訟規則では逮捕状の有効期限は原則7日とされるが、2人については半年間隔で手続きを続け、9月中旬の時点で鶴田容疑者の逮捕状は約140回、佐藤容疑者は約160回更新されている。海外に逃亡しているため、公訴時効は停止している。
事件は52年1月、自転車で帰宅していた白鳥警部が札幌市内で拳銃で射殺された。捜査当局は当時、武装闘争方針を打ち出していた日本共産党の犯行と断定し、同党札幌地区委員長=94年死亡=を逮捕。共犯として指名手配された両容疑者を含む10人が中国に渡り、7人が帰国したとされる。
警察庁は2002年、鶴田容疑者が生存しており、佐藤容疑者ら2人が死亡したという情報に基づき、中国公安当局に事実確認を求めたが、明確な回答はなかった。
その後、鶴田容疑者は12年、北京市内で死亡し、佐藤容疑者も10年以上前に中国で病死したと国内の関係者に伝えられた。
道警は更新を続ける理由について「公式な死亡確認ができないためで、やむをえない措置だ」と説明している。〔共同〕