衆院選1票の格差訴訟結審 原告「人口比例の選挙を」
「1票の格差」が最大2.30倍だった2009年8月の衆院選を巡り、各地の有権者が選挙無効を求めた9件の訴訟は23日、最高裁大法廷(裁判長=竹崎博允長官)で弁論が行われ、午後の弁論で原告側が「格差が原因で正当な選挙になっていない」と訴えた。
原告側の中心メンバーである升永英俊弁護士は「憲法は人口に比例した選挙を求めている」と主張。現在は半数未満の有権者が過半数の議員を選んでおり不条理だとして「最高裁は日本を正しい代議制民主主義に改めるべきだ」と述べ、違憲判決を求めた。
被告の選挙管理委員会側は「現行制度には合理性がある」と反論した。9件の訴訟はこの日ですべて結審し、判決期日は後日指定される。
一審の高裁段階では、9件中7件で「違憲」か「違憲状態」との判決が出た。最高裁は「3倍以内」を目安に合憲としてきたが、原告側は「格差の程度にかかわらず、住所による投票価値の差別を容認するのは不当だ」と主張、最高裁が判断を見直すかが焦点となる。