サムスン・アップルの特許権訴訟 知財高裁、初の意見募集

2014/1/23 23:55
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スマートフォンなどに関する特許を巡り、米アップル日本法人と韓国サムスン電子が争っている訴訟の控訴審で、知的財産高裁は23日、他社に特許を使わせる際の条件など訴訟の争点について、一般から意見を募ることを決めた。日本の裁判所が係争中の民事訴訟の審理で、一般の意見を募集するのは初めて。

専門的で過去に判例のない争点について、専門家や実務に詳しい業界関係者から広く意見を聞く必要があると判断。司法判断にあたってビジネスの現場の声を生かそうとする今回の試みは、知的財産に関わる人々の幅広い関心を集めそうだ。

訴訟では、他社から特許利用の要請を受けた際、公正で合理的な条件で認める姿勢をあらかじめ明らかにする「FRAND宣言」と呼ばれる行為が争点になっている。アップル側は「サムスンは同宣言をしたにもかかわらず、特許権侵害を主張して製品の生産や輸入の差し止めを求めてきた」と主張している。

知財高裁は同宣言に関する過去の判例がない上、特許を巡る専門的な争点であり、専門家らの意見を参考にする必要があると判断。民事訴訟法には一般から意見を募る手続きを定めた規定はないが、アップルとサムスン双方に意見募集を促し、当事者間で合意してもらう形で実施することにした。

アップル側代理人の伊藤見富法律事務所(東京・千代田)と、サムスン側の大野総合法律事務所(同)が3月24日まで、国内外の専門家などから意見を募り、自らの主張立証の材料として知財高裁に書面で提出。法曹関係者によると、こうした手続きは米国などには法規定があるという。

知財高裁は合わせて、裁判官5人による大合議(裁判長=飯村敏明所長)で審理することも決めた。大合議は判例の事実上の統一が必要な場合や重要事件で開かれる。2005年に同高裁が発足して以降、大合議での審理は8件目。

今回の訴訟は、アップル製の「iPhone」(アイフォーン)などで画像や音声などを送信する際、不必要なデータを省いてサイズを縮めて効率的に送信できる技術を巡って、特許権の有効性や侵害の有無などが争われている。

一審・東京地裁は「サムスンはFRAND宣言した以上、アップルからのライセンス許諾の申し出に対し、誠実に交渉すべき信義則上の義務がある」として、アップルに対するサムスンの損害賠償請求を「権利の乱用に当たる」と判断。アップル側勝訴の判決を言い渡し、サムスン側が控訴した。

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