マアナゴ、産卵場所は沖ノ鳥島の南380キロ
水産総合研究センターが発見
水産総合研究センターは23日、すしや天ぷらの食材として使われるアナゴ科の魚「マアナゴ」の産卵場所を突き止めたと発表した。日本最南端の沖ノ鳥島の南約380キロメートルで、ふ化後間もない仔魚(しぎょ)を採取。付近の海底山脈の上が産卵場所と特定した。マアナゴは2008年までの14年間で漁獲量が半減。産卵場所の特定は親魚の保護に役立つ。
研究には東京大学、九州大学も参加した。08年9月にマアナゴの仔魚を採取。最も若い仔魚は全長5.8ミリメートルで歯やあごがなく、ふ化後3~4日の特徴を備えていた。
近くに産卵場所があると推定し、発見場所の約100キロメートル西に位置する九州・パラオ海嶺(かいれい)上で生まれ、海流に乗って流れてきたと結論づけた。ニホンウナギも海嶺上で産卵しており、ウナギ目魚類の共通の特徴と考えられるという。
マアナゴは日本の沿岸域で捕れるが、成熟した親魚が捕獲されたことはなく、産卵場所が謎だった。今回の研究で産卵場所は推定できたが、親魚が日本沿岸を離れて九州・パラオ海嶺に向かうルートは不明で、今後の課題として研究を進める。