宇宙ヨット「イカロス」 燃料なしで方向転換へ一歩
帆の角度ずらすのに成功、JAXA発表

2010/7/23付
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、5月に打ち上げた宇宙ヨット「IKAROS(イカロス)」で、太陽光の圧力を使った姿勢制御に世界で初めて成功したと発表した。帆に張り付けた液晶素子をブラインドのように使い、太陽光の反射具合を調整して受ける力を変えることによって実現した。燃料なしで宇宙空間を自在に航行するという試みに一歩近づいた。

「イカロス」の飛行中想像図(宇宙航空研究開発機構提供)=共同

「イカロス」の飛行中想像図(宇宙航空研究開発機構提供)=共同

イカロスは一辺が14メートル、厚さ7.5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの帆を広げ、太陽光の力を受けて金星方面へ進んでいる。液晶素子は帆の外周部に付いており、イカロスに搭載した太陽電池でつくった電気で向きが変わる仕組み。角度に応じて太陽光を反射したり透過したりし、力のかかり具合を調整する。

実験は13日午前から14日午前の1日間実施した。液晶素子の駆動によって、太陽光に対する帆の角度を0.3度ほどずらすことに成功した。今後さらに様々な角度で傾ける実験を積み重ね、希望通りに進行方向を変えられるか確認する。

従来は代替フロンの燃料を噴射して角度を調整していた。液晶素子で確実に制御できれば燃料搭載の必要がなくなり、飛行システムの簡素化やコスト低減につながる。画期的な航行法として、世界で注目されている。

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