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賠償7300万円に増額 海自いじめ自殺、東京高裁「予見できた」

2004年に海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」所属の1等海士(当時21)が自殺したのは先輩隊員のいじめが原因だとして、遺族が国と元2等海曹(43)=懲戒免職=に計約1億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、東京高裁であった。鈴木健太裁判長は「国側は自殺を予見できた」として、計約7330万円の支払いを命じた。一審の約440万円から大幅に増額した。

また判決は、海自が1等海士の自殺をめぐり実施した内部調査資料を遺族側に隠していたことも認め、別に20万円の賠償を命じた。

国側が自殺を予見できたかどうかについて、鈴木裁判長は、1等海士の自殺の約1カ月前に上司が「2等海曹が後輩に暴行している」との申告を受けていたと指摘。「その時点で実態調査や適切な指導をしていれば、自殺は回避された可能性がある」として、自殺についての国側の賠償責任を認めた。

一審・横浜地裁は「自殺は予見できなかった」として、元2等海曹による暴行と恐喝の賠償責任だけを認めていた。

控訴審では、海自が1等海士の自殺後に乗組員に対して実施したアンケートや聞き取りメモの存在が、一審で国の指定代理人を務めた3等海佐の内部告発によって発覚した。遺族が05年に開示請求したが、国側は「廃棄した」などとして応じていなかった。

鈴木裁判長は「行政文書の開示請求の対象になっていたにもかかわらず、保管していないなどとして隠匿した」として、国側の賠償責任を認めた。

判決によると、1等海士は03年8月に海自に任官し、同12月にたちかぜに配属。04年春ごろから元2等海曹に殴られたりエアガンで撃たれたりするなどのいじめを繰り返し受け、同10月に東京都内で電車に飛び込み自殺した。06年4月、遺族が提訴した。

判決後、1等海士の母親(60)は「命に対する責任が認められ、息子にきちんと報告できる」と涙ぐみながら語った。

防衛省は「判決内容を慎重に検討し、適切に対処したい」とのコメントを出した。

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