独衛星、日本落下なし インド洋上で大気圏突入か
ドイツ航空宇宙センターは23日、エックス線天文衛星「ROSAT」が日本時間同日午前10時45分から午前11時15分の間に大気圏に突入したと発表した。米戦略司令部の情報によると、突入地点はインド洋上空とみられる。燃え残った破片が地上に落ちたかどうかは確認できていない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の予測によると、衛星は23日午前9時半ごろ、日本の上空を約2分間かけて通過した。沖縄から九州、四国、近畿、北陸、東北など広い地域の上を通ったとみられるが、首相官邸の危機管理センターによると、日本国内に衛星の部品が落下したとの情報はない。
落下地点の特定は難航が予想される。ドイツ航空宇宙センターは軌道の計算による割り出しを進めるとともに、目撃情報などを集めている。
ROSATは1990年に打ち上げられ、99年に運用を終えた。重さ約2.4トンで、大気圏に突入しても燃え尽きずに最大30個の破片(計約1.7トン)が地上に落下する可能性があった。破片が人に当たる確率は2000分の1と試算されていた。