夏目漱石の直筆原稿 「門」全751枚そろう
所在不明の4枚、福島で発見

2012/6/23付
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夏目漱石(1867~1916年)の小説「門」の直筆原稿のうち、所在不明だった4枚が確認されたことが分かった。大東急記念文庫(東京)に所蔵されているものと合わせ、全751枚がそろうことになった。

同文庫や、岩波書店が90年代に刊行した「漱石全集」の新版を編集した秋山豊さん(67)によると、関係者から「福島市の個人宅で見つかった」と確認を求められた。この4枚は104回の連載のうち、第14回の8枚目と第70回の5~7枚目。

推敲(すいこう)の痕跡が残っているほか、現在出版されているものとは漢字や読点などに一部違いがあり、筆跡や原稿用紙が他の747枚と同じで、漱石の直筆原稿とみて間違いないという。

「門」は10年に朝日新聞で連載され、雑誌「中央公論」編集長だった滝田樗陰らの手を経て、58年に同文庫が大半を購入。同文庫は747枚を3冊に和装して保管しているが、4枚の所在が分からなかった。

秋山さんは「言葉の位置を変えるなどした書き直しの跡から、漱石らしさがうかがえる」と話している。

漱石に詳しい早稲田大の石原千秋教授によると、滝田が原稿のかつての持ち主に対し、原稿が本物との"お墨付き"を与える手紙も一緒に見つかった。石原教授は「欠けていた4枚がまとまって見つかったのは奇跡そのもの」と驚いている。〔共同〕

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