ロボット手術後に患者死亡、名大病院
名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)は22日、ロボットを用いた腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた70歳代の男性患者が、術後5日目に多臓器不全で死亡したと発表した。手術と死亡との因果関係は不明といい、外部事故調査委員会を立ち上げて原因を究明する。
同病院によると、死亡した男性は早期の胃がんと診断され、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使って胃の一部を切除した。その際に医師が膵臓(すいぞう)に亀裂を見つけ、その場で縫合。術後には腸の壊死(えし)も明らかになり、再手術したが、全身状態が悪化して死亡した。
ダヴィンチは医師が患者から離れてモニターを見ながらロボットの腕の先についた電気メスなどを遠隔操作して手術する。同病院は膵臓の亀裂について「ロボットが接触して傷になった可能性はある」と説明したが、腸の壊死や死亡との因果関係は外部調査委で明らかにするとしている。
記者会見した松尾清一病院長は「ご遺族の皆様に心よりおわび申し上げる」と謝罪した。