2019年9月15日(日)

汚染水対策、なお課題多く 浄化装置3カ月ぶり全系統稼働

2014/6/22 19:43 (2014/6/23 1:23更新)
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東京電力は22日、福島第1原子力発電所の汚染水浄化装置「ALPS(アルプス)」で、3系統のうち唯一停止していた1系統が運転を再開したと発表した。放射線によって劣化した部品を交換して復旧した。ALPSがすべて動くのは約3カ月ぶり。東電は停滞している浄化作業が進むと期待しているが、汚染水対策にはなお課題も多い。

汚染水を処理する「ALPS」

ALPSにはA、B、Cの3つの系統があり、今回復旧したのはC系統。5月20日に水が白く濁るトラブルが見つかった。汚染水を浄化するフィルターに使うパッキンが放射線で劣化したのが原因だった。東電は放射線に強い素材のパッキンに交換したほか、配管の腐食対策も施した。

ALPSは3系統すべてがフル稼働すれば1日750トンを浄化できるが、3月以降、フィルターの不具合による停止が相次いだ。C系統が復旧したことで、東電は「トラブルの対応に一定のめどはついた」とみている。

福島第1原発では、浄化が必要な汚染水約36万トンを敷地内のタンクで保管している。東電は9月にも改良を加えたALPSを増設し、政府も放射性廃棄物を大幅に減らす新型のALPSを投入する。1日の処理量を約2千トンに引き上げ、今年度末に浄化を完了したい考えだ。

原発建屋などに流れ込み汚染水の発生源となっている地下水の対策も急ぐ。5月には汚染前の地下水をくみ上げて海に流す作業を開始。今月に入り、1~4号機の周りの土を凍らせて地下水を遮断する「凍土壁」の工事にも着手した。

廃炉を進めるには、汚染水問題の解決が必要だ。東電の計画通りに浄化が進むためにはALPSが安定して稼働することが不可欠だが、これまでもトラブルを繰り返してきただけに不安は多い。

地下水流入による汚染水の増加は1日約400トンに達するが、海洋放出や凍土壁で実際にどれだけ抑えられるかはっきりしない。凍土壁は世界でもほとんど例のない難工事で安全性に懸念も残る。問題解決に向けた道筋はなお不透明だ。

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