痩せたヒグマ、知床で相次ぎ出没 天候不順で餌不足か

2012/9/23付
保存
共有
印刷
その他

世界自然遺産の北海道・知床で、痩せたヒグマの目撃情報が相次いでいる。天候不順による餌不足が原因とみられ、北側の斜里町では8月末までで昨年全体の約1.5倍、南側の羅臼町でも既に年間の最多件数を更新した。

両肩や腰の骨がゴツゴツと浮かび上がり、手足は細く、犬のよう――。8日朝、カムイワッカの滝近くでマスの定置網を揚げていた斜里町の漁師、古坂彰彦さん(53)は痩せこけたクマの姿に目を疑った。4日には同じように痩せた子グマの死骸が定置網に掛かっていた。古坂さんは「親子かもしれない。哀れなものだ」と話す。

ヒグマ対策を担当する知床財団などによると、斜里町での目撃情報は昨年の829件に対し、今年は8月末までで約1300件。1歳程度の痩せたクマが多いという。羅臼町も9月中旬までで約380件に上っている。

今年は夏場の餌となるコエゾゼミやハイマツの実が少ない。マスの遡上も遅れ、餌を求めて国道脇のアリの巣などを狙いに来るケースが多いという。

今年は山形県や岐阜県でも8月末までのツキノワグマの目撃件数が過去5年間で最多。釣りや山菜採りに来た人が襲われ、けがを負う事故も起きている。

日本クマネットワーク代表を務める北海道大の坪田敏男教授は、各地で目撃情報が増えていることについて「北海道ではマスの遡上時期が大きく影響し、本州ではクマの生息域が拡大したことが大きい。ハンターに追われた経験が少なく、人を恐れないクマが全国的に増えているのも要因」としている。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]