2019年5月26日(日)

初の親族優先 夫の角膜、妻に提供へ

2010/5/22付
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日本アイバンク協会は22日、関東地方で死亡した50代男性の角膜が妻に提供されることになったと発表した。男性が生前に妻への優先提供の意思表示をしていた。移植は今月末から来月上旬の予定で、実施されれば、今年1月に親族優先提供を可能とする改正臓器移植法が施行されて初のケースとなる。

親族優先での角膜提供について記者会見する日本アイバンク協会の金井淳常務理事(手前)ら(22日、厚労省)=共同

同協会によると、男性は胃がんのため聖路加国際病院(東京・中央)に入院して治療を受けていたが21日夕、亡くなった。今年4月に献眼登録票に、角膜提供とともに50代の妻への優先提供の意思表示をしていた。妻は角膜ヘルペスで視力が低下しており、法施行後にアイバンクに移植待機者として登録したという。

男性は生前に妻への優先提供を含めて病院側に角膜提供の意思を伝えており、心停止後に両眼を摘出した。今後、片眼は妻に、もう片眼はアイバンクに登録している別の患者に移植される見通し。ほかの臓器の提供意思表示はなかった。

角膜は他の臓器と異なり、10日間ほど保存できるため、親族への移植は5月31日~6月2日の間を予定している。同協会によると、通常、角膜が感染症の恐れなどのため移植できないケースは1割程度という。

同協会によると、移植を希望して登録しているのは3月時点で2604人。年間1千人程度から約1500眼が移植されているという。

脳死や心臓死になった場合、心臓や腎臓、角膜などの臓器を親族に優先的に提供する意思表示ができる制度は、昨年7月に成立した改正臓器移植法で新設、1月17日に施行された。親族優先の意思表示は15歳以上が有効で、書面で第三者への臓器提供意思を示した上で親族優先を記載する。

臓器移植の公平性を保つため、それまで優先提供は認められていなかったが、法改正で例外として「親子と配偶者」と限定して認めることになった。親族にしか提供を認めない意思表示は無効で、自殺した場合も対象外となる。

小児を含め、本人の意思が不明でも家族の承諾で臓器提供できる法改正は7月に施行される。

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