餌とりの長旅、海氷で一休み 南極のペンギン
南極にすむコウテイペンギンが子育て中に餌とりの旅に出る際に、海氷が天敵を避けるための重要な休憩場所になっているとする研究成果を、福山大(広島県)や東京大などのチームが22日、米オンライン科学誌プロスワンに発表した。
コウテイペンギンは大きなひなを育てるために、繁殖地を長期間離れて多くの餌をとる。福山大の渡辺伸一講師は「海氷で小休止することで、長期間の餌とりの旅が可能になると考えられる。地球温暖化で海氷が減れば、子育てに影響する恐れがある」と話している。
チームは南極で親鳥10羽に動きを記録する装置を付け、行動を調べた。すると、繁殖地を離れて餌をとりに行く期間は1回平均14日間に及び、この間、約7割の時間を海中で、残りを海氷の上で過ごしていた。
具体的には約5時間ほぼ休みなく潜水して魚などをとり、その後、約2時間半は海氷で立ったまま休むことを繰り返していた。チームは、海中ではヒョウアザラシなどに襲われる危険があるため、安全な海氷の上で休んでいるとみている。〔共同〕