千葉の薬局、薬横流し1億円所得隠し 国税指摘
千葉県習志野市の調剤薬局「岩波薬局」が仕入れて余った処方薬を卸売会社社員を通じて横流しし、販売代金を収入から除外していたとして、東京国税局の税務調査で2012年9月期までの7年間に約1億円の所得隠しを指摘されていたことが22日、分かった。
重加算税を含めた追徴税額は約5千万円で、既に修正申告と納税を済ませたという。
関係者によると、岩波薬局は、東京都千代田区の大手卸売会社「アルフレッサ」などから処方薬を過大に仕入れた。販売しきれない分は同社社員(既に退職)が引き取り東京・神田の商品を現金で買い取る現金問屋に売却。代金を薬局社長がこの社員から現金で受け取り、売り上げに計上せず自宅で保管していた。
社長は取材に「販売ノルマがきついと言われて過大仕入れを頼まれ拒否できなかった。余った薬を返品しているという認識で、現金問屋への横流しは知らなかった」と話した。
現金問屋は薬の販売許可を得たうえで「秘密厳守」「高価買い取り」などとうたい、製薬会社ではなく病院や薬局から余った薬を買い取り転売している。
信用調査会社によると、岩波薬局は1981年創業で、13年9月期の売上高は2億4千万円。千葉県内で「いわなみ薬局」を展開している。〔共同〕