カネミ油症賠償認めず、認定患者の請求棄却 地裁小倉支部

2013/3/21付
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1968年に西日本一帯で起きた食品公害「カネミ油症」の認定患者55人(うち4人は死亡)が原因企業のカネミ倉庫(北九州市)に計6億500万円(1人当たり1100万円)の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、福岡地裁小倉支部であった。岡田健裁判長は「損害賠償の請求期限は過ぎている」として、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。原告側は控訴する。

判決で岡田裁判長は、原因物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)について「毒性は容易に想定でき、同社にはPCBが混入した米ぬか油を製造・販売した過失がある」と指摘。米ぬか油を摂取して油症を発症したとする因果関係も認めた。

だが争点だった損害賠償の請求期限を不法行為から20年とする「除斥期間」については、「油症と認定された時から起算すべきだ」との原告側の主張を退け、「原告が米ぬか油を摂取した時」と判断した。

原告は米ぬか油を68年に摂取して数カ月で発症しており、判決は「遅くとも69年12月31日までに損害が発生した」と明示。「賠償請求権は20年が経過した89年で消滅した」と述べた。

訴状によると、原告は50~90代の患者と遺族で、多くは80年代に一連のカネミ油症の訴訟が終結して以降に新たに認定された「新認定患者」。カネミ倉庫製の米ぬか油を摂取し、全身の皮膚疾患や頭痛などを発症した。

新認定患者には、80年代の訴訟で和解した旧認定患者と同様、見舞金23万円や認定後の医療費が同社から支払われている。だが、原告らは国が2004年に認定の診断基準を緩和してから認められたケースが多く、認定前に自己負担した医療費の賠償などを求めてきた。

カネミ倉庫は「判決確定前であり、司法判断についてのコメントは差し控える。今後も治療費の支払いを継続し、被害者救済法に従った責務を果たしていく」とのコメントを出した。

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