新型インフルワクチン、国民の優先接種順位を決定
政府は21日、新型インフルエンザの流行時に、ワクチンを優先的に接種する住民の順位を決めた。全国民を妊婦や小児など4つの集団に分け、7通りの優先順位のパターンを用意。流行したウイルスの種類によって、実際の優先接種のパターンを選択する。優先順位を決めて重症者の発生を抑える狙い。
同日開かれた有識者会議の分科会で了承された。政府は来年1月にも今回の決定を盛り込んだ中間とりまとめを策定する。
接種対象の分類は(1)妊婦や心臓疾患などを持つ重症化のリスクが高い人(2)小児(3)成人・若年者(4)高齢者――の4つ。実際に流行したウイルスの種類や重点的に保護する対象によって、事前に用意した7パターンの中から、どの順番で接種を実施するかを決める。
例えば高齢者が重症化しやすい種類のウイルスの場合は、妊婦や病人、高齢者、小児、成人の順にワクチンを接種する。
ワクチンは原則として居住する市町村で接種。会場は学校や保健所などとした。複数の会場に予約をしてワクチンの過剰生産や供給の偏りが起きないように、市町村が一括して会場を指定する。
ただ勤務先の所在地や里帰り出産先で接種する人もいることから、居住市町村に事前に希望接種場所を届け出てもらう。病気を抱えて移動が難しい人や在宅患者には、かかりつけ診療所や自宅での接種も可能とする。