NOVA元社長の実刑確定へ 最高裁が上告棄却
2007年に経営破綻した英会話学校NOVAの社員積立金を受講生の解約返還金に流用したとして、業務上横領罪に問われた元社長、猿橋望被告(61)の上告審で、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は21日までに、弁護側の上告を棄却する決定をした。懲役2年とした二審判決が確定する。決定は19日付。
一審・大阪地裁判決は「会社の経済的窮状を知っており、積立金返済のメドがないことを認識していた」として、猿橋被告に「不法に資金を得る意思があった」と認定。経理担当者の指摘を無視して流用した点などを重視し、懲役3年6月を言い渡した。
これに対し、二審・大阪高裁判決は「多数の受講生を抱える会社の存続のための流用で、個人的資産も拠出されている」として刑を軽くし、懲役2年とした。
一、二審判決によると、猿橋被告は07年7月、NOVAの資金繰りのため、グループ会社の社員が加入する互助組織の口座から3億2千万円の積立金を関係会社に送金し、横領した。