放射線量、10倍速く測定 放医研が装置開発
放射線医学総合研究所は21日、従来の約10倍の速さで放射線量を測定できる装置を開発したと発表した。手押し車のような形状で、移動しながら広い範囲をくまなく調べられる。従来は10秒以上立ち止まった状態で測定する必要があった。札幌市で27日から開かれる日本放射線安全管理学会で発表する。
応用光研工業(東京都福生市)と共同開発した。装置は底面に計測器がついており、地表10センチの高さの放射線量を測定する。約1秒間の測定結果から予測する手法で、移動しながら測定できるようにした。実際の測定値と誤差は生じるが、放射線量が局地的に高いホットスポットを効率的に探せるという。
従来は測定する地点を決めたら装置を持って移動し、10~30秒ほど静止しないと測定できなかった。こうした動作を繰り返して何カ所も測定しなければならずホットスポットを探すのに時間がかかった。研究グループは除染作業の負担軽減につながると期待している。
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