富岡製糸場、世界遺産に正式決定 近代産業遺産で初
カタールの首都ドーハで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第38回世界遺産委員会は21日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の世界文化遺産への登録を正式決定した。
日本の世界遺産登録は18件目で、「富士山」(山梨県・静岡県)に続き2年連続。日本の近代の「産業遺産」が登録されるのは初めて。
遺産群は1872年に国が設立した富岡製糸場のほか、代表的な養蚕農家の家屋や蚕の卵の貯蔵施設など4資産で構成する。フランスの製糸技術と地域の養蚕業の伝統を融合させ、日本製生糸が世界を席巻するきっかけをつくった。

遺産群の現地調査を実施したユネスコの諮問機関が4月、「日本が近代工業化世界に仲間入りする鍵となった。保全管理体制も適切だ」と評価し、文化遺産への登録を勧告していた。