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「井げた滑走路」離着陸は複雑に 羽田の新国際線

「世界のHANEDA」へ飛躍――。21日に新国際線ターミナルが供用を開始した羽田空港は、東京都心との近さや地方空港へのスムーズな乗り継ぎが魅力で、利用客は成田空港に勝るアクセスの利便性を実感できる。ただ、割高な航空運賃や複雑化する管制運用、騒音など「首都空港」ならではの課題も抱えての離陸となった。

▼管制指示は高難度

羽田の国際化を実現させたのは、4本目の滑走路完成に伴う発着回数の拡大。ただ、敷地の制約などから滑走路を「井げた状」に並べたため、航空機の滑走路横断や上空の経路が交錯するなど運用が複雑化した。国交省によると、午後1時現在、管制トラブルによる大きな遅延はない。

羽田空港は従来、A~Cの滑走路3本で構成しており、北風の時はAを着陸、Cを離陸に利用。南風で好天なら逆に使えば済むが、悪天候の場合はAに交差しているBを着陸に使うなど、以前から運用が複雑だった。

新設のD滑走路はCの延長線をくぐるように敷かれ、風向きによって離着陸の用途も変化。航空機の滑走路横断や上空で交錯するポイントも増え、離着陸を振り分ける管制指示の難易度はさらに高まる。

同省担当者は「世界的に見ても複雑といえる構造で、運用にはこれまで以上に細心の注意が必要」と気を引き締める。

騒音対策では、なるべく東京湾上を通るなど配慮。陸地で感じるうるささは環境基準をクリアし、地元自治体とも合意している。

▼国際化の夜明け

21日午前5時45分、国際線の到着1番機となる香港からの便が真新しいターミナルに滑り込み、5分ほどするとスーツ姿や旅行かばんを持った外国人乗客らが次々とブリッジを渡って姿を見せた。

観光で8日間滞在する香港在住のアンドリュー・ライさん(39)は「施設がきれいで、移動距離も短く使いやすい」と満足そう。過去に利用した成田空港と比べ「到着してすぐ市街地観光ができる」と笑顔を見せた。

出発1番機の韓国・金浦行きの搭乗待ちだった東京都江東区の会社員、柿沼綾子さん(38)は「旧ターミナルは手狭だった。広くきれいになり、日本の空の玄関としてふさわしくなった」と歓迎。北京行きの出発便を待っていた同板橋区の無職、北見光一さん(67)は「成田に比べ自宅から30分は早く着くので海外が近く感じる」と顔をほころばせた。

▼好アクセスだが割高感

成田空港と比べ、羽田新国際線の強みはアクセスの良さ。都心部とは東京モノレールでJR浜松町駅から、京浜急行は品川駅からそれぞれ最速13分で接続。成田も京成電鉄「スカイアクセス」開通で日暮里駅間を36分まで短縮したが、運行頻度などを考慮すると羽田が優位。バスでも東京駅発で羽田が25分、成田は80分と差は歴然だ。

新国際線は空港内の移動も便利。羽田新国際線は3階に集約。モノレール駅から出発まで上下階の移動が無く、大荷物の旅行客にも使いやすい。

ただ、航空運賃は成田よりも割高感がある。航空各社が空港の利便性などを背景に強気の価格設定をしているためとされる。

大手旅行会社によると、例えば、同じ航空会社、同時間帯の往復で内容も似た「12月1日発・香港3日間」のツアー商品では羽田発着が1万3千円高い6万9800円。他のツアーでも平均1割ほど羽田が高いという。

各路線の就航開始日が異なり、17都市が出そろうのは年明け以降となる見通し。同社は「『羽田で海外』という選択肢の定着には時間がかかりそう」と冷静だ。

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