カンボジア投資ご用心 金融庁かたり不動産勧誘

2013/10/3付
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経済成長が著しいカンボジアの不動産への投資を巡るトラブルが相次いでいる。国民生活センターによると、2011年10月に初めて相談が寄せられて以降、計1829件に上る。金融庁職員をかたって追加出資を求める手口も多発しており、同庁は「個人の投資に助言をすることはない」と注意を呼びかけている。

「カンボジアは経済成長率が高く、すぐに1.5倍に値上がりする」。関東地方の70歳代男性は6月、不動産開発会社を名乗る男から同国のマンションの区分所有権購入の勧誘電話を受け、50万円分を購入した。

数日後、男性のもとに金融庁職員を名乗る男から「カンボジアでの投資単位数が足りない。このままでは違法な取引になるので追加出資が必要だ」と電話が入った。驚いた男性は300万円を追加購入。しかし、マンションが存在するかどうかも確認できず、転売や返金を求めても業者が応じないため消費生活センターに相談した。

国民生活センターによると、業者が虚偽の金融庁の電話番号を伝え、勧誘された人が電話をかけると、同庁職員になりすました仲間が「国が推奨する事業なので安心してよい」とうその説明をする手口もあるという。

大手企業の名前が悪用される例も目立つ。同センターによると、関西地方の70歳代女性は7月、不動産開発会社からカンボジアの不動産購入を勧誘するパンフレットを郵便で受け取った。その直後、東証1部上場の不動産会社社員を名乗る男から「カンボジアで開発を予定しており土地を買いたい」との電話があった。

信じ込んだ女性は業者から10万円分の土地を購入。不動産会社に買い取りを求めると「まとまった土地でないと買い取れない」と説明され、さらに350万円分の土地を購入。その後、不動産会社社員を名乗る男と連絡が取れなくなった。

相次ぐトラブルを受け東京都の弁護士らは「カンボジア不動産投資被害弁護団」を結成。8月末の無料相談では31件の電話が寄せられた。相談者の平均年齢は72歳、平均支払額は約1600万円だという。同弁護団の江川剛弁護士は「相談のあった事例はカンボジアの法律に照らして不動産の権利が移転されているかどうか非常に疑わしい」と指摘する。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、カンボジアの実質GDP(国内総生産)成長率は10年以降、年率6%を超え、日本企業の進出も相次ぐ。金融庁の担当者は「高成長のカンボジアに目を付けているのだろう。金融庁が投資勧誘することはありえないので絶対に信じないでほしい」としている。

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