「スマホでやけど」75件 国民生活センター、注意呼び掛け
国民生活センターは20日、スマートフォン(スマホ)の発熱や充電部の焼損に関する相談が急増し、2009年4月~13年12月に計1032件に上ったと公表した。やけどを負ったケースが75件あるほか、布団が焦げた報告もあり「取り扱いに十分注意し、熱いと感じたら肌への長時間の密着は避けて」と呼び掛けている。
国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに12年度、523件の苦情が寄せられ過去最多となった。13年度はこれを上回るペースで、「ガラケー」と呼ばれる従来型の携帯電話が原因とみられる相談件数の7倍を超える。
国民生活センターの実験では、充電用端子が破損したり、異物が混入したりしてショートしたような状態で充電すると、端子周辺の温度は100度以上に上昇した。アプリやテレビ電話の約10分間の使用で、本体の温度が58度に上がった例もあった。
埼玉県の50代男性は、スマホをケーブルでパソコンとつなぎ充電したまま就寝中、焦げ臭さで目覚めると、充電部付近が溶け、近くの布団が焦げていた。大阪府の20代女性は、本体の温度が上がったまま約8分間通話を続け、ほおが低温やけどになった。
国民生活センターは、スマホは電気の使用量が多く、頻繁に充電の必要があるため、ガラケーより発熱や焼損の危険が高いとみており、通信業界団体の電気通信事業者協会に「消費者への一層の啓発と、発熱・焼損しにくい商品開発が必要だ」とする要望書を出した。〔共同〕