東京都心部に断層か 地質専門家チームが分析
東京の都心部に、過去20万年の間に繰り返し地層がずれたとみられる痕跡(断層)があるとの分析結果を、地質専門家のチームがまとめ、埼玉県熊谷市で開かれた日本第四紀学会で20日、発表した。
断層は、地下鉄や高速道路など多くの建造物が集中する東京都千代田区にもかかっているとみられ、地層がずれると大きな影響が出る恐れがある。チームの豊蔵勇・元日本活断層学会副会長は「国による本格的な調査が必要だ」と訴えている。
この断層自体が地震の原因となるかどうかは不明だが、この断層を動かす地震の原因となる活断層が、より深い地中にある可能性もあるという。
チームは、都内で土木工事などの際に採られた柱状の地層データを分析し、地層が互いに食い違っている場所があることを発見。食い違いの境界である断層は、JR山手線田端駅(北区)周辺から南西の新宿区四谷付近まで約7キロにわたり続くと推定した。
文京区内の断層を詳しく調べると、7万~8万年前以降にずれたあとがあったほか、それ以前の20万年前までの間にも繰り返し動いており、ずれ幅は累積で約12メートルに上ったとみられる。〔共同〕
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