袴田事件の再審、27日に可否決定 DNA鑑定の評価争点

2014/3/24付
保存
共有
印刷
その他

1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして死刑判決が確定した袴田巌死刑囚(78)の第2次再審請求で、静岡地裁が27日、再審開始を認めるかどうかの決定を出す。犯行時に着ていたとされる「5点の衣類」の血痕のDNA型が一致しないとする鑑定結果の評価が最大の焦点だ。

第2次請求審では、袴田巌死刑囚が事件当時に着ていたとされた「5点の衣類」に付着した血液のDNA鑑定が実施され、検察側、弁護側がそれぞれ推薦した専門家2人がいずれも「袴田死刑囚と一致するDNA型はない」との見解を示した。

5点の衣類は、一審公判中、袴田死刑囚が勤務していた工場のみそタンクから見つかったシャツ2枚やズボンなど。被害者の血液型と一致する血痕に加え、シャツには袴田死刑囚と同じB型の血液が付着していたとされ、有罪の決め手となった。

第1次請求中の98~2000年にかけて東京高裁が血痕のDNA鑑定を試みたが、当時の技術ではDNA型を検出できず、鑑定不能に。第2次請求審では、弁護団が11年に「技術の進歩で鑑定できる可能性がある」として再鑑定を請求し、静岡地裁が受け入れた。

専門家2人が、5点の衣類の血痕からDNAを抽出し、被害者4人や袴田死刑囚のDNA型と比較。被害者の型と一致するかどうかをめぐっては意見が分かれたが、シャツの血液については、どちらも「一致する型は検出されなかった」と結論づけた。

「衣類は袴田死刑囚のものではない」とする弁護団に対し、検察側は専門家2人が5点の衣類から検出したDNA型が食い違っていると指摘。「40年以上前の試料で、当時は捜査員が素手で触っていた。別人の表皮などのDNAが紛れ込んでいてもおかしくない」と鑑定の信頼性を否定した。

地裁が実施した鑑定人尋問では「独自の手法で血液のDNAだけを抽出した」とする弁護側鑑定人に対し、検察側が「学会で認められていない手法で、信用できない」と反論するなど、専門用語が飛び交う様相に。検証に1年以上を費やした。

通常は「鑑定結果は信頼できる」との前提で有罪か無罪かを判断するが、今回は鑑定そのものの信頼性が争われる展開となった。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]