福島第1原発、高濃度汚染水100トン漏れ
東京電力は20日、福島第1原子力発電所で汚染水をためているタンクの上部から雨どいを伝って水が漏れているのを見回り中の作業員が見つけたと発表した。タンクを囲むせきの外に漏れた量は約100トンで、雨どいの水からはベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2億3千万ベクレルと極めて高い濃度で検出された。
タンクには、汚染水から放射性セシウムを除去する処理をした後の水が保管されている。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が多く含まれているほか、除去しきれなかったセシウムも残っている。
東電によると、19日午後11時25分ごろ、「H6」タンク群の1基で、上部から水が漏れているのが見つかった。タンクは簡易的なつくりの「フランジ型」。外部から水を受け入れる弁が開いていたといい、タンク上部からあふれ出た可能性があるという。弁を閉めるなどして20日午前5時40分ごろに漏えいは止まった。
汚染水は別のエリアのタンク群に移送する計画だったが、H6タンク群につながる配管の弁が故障したため問題のタンクに流れ込み、あふれた可能性が高いという。
近くに排水溝がないことから東電は「海への流出はないと考えている」としている。〔共同〕
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