浜名湖ボート事故の記録冊子を寄贈 風化防止へ遺族
浜松市の浜名湖で2010年6月、野外活動中のボートが転覆した事故で、死亡した愛知県豊橋市立章南中学1年の西野花菜さん(当時12)の父、友章さん(54)が20日、事故の風化防止を求めて、発生からの記録をまとめた冊子計80部を同市教育委員会に寄贈した。市教委は市内の小中学校や図書館などに配布する方針。
事故から3年が経過し、少しずつ事故の風化が進んでいることに危機感を持った両親が支援者らと作成。「再発防止のため特に学校関係者に読んでほしい」としている。
「学校が守るべきいのち」と題した冊子はA4判で約100ページ。事故発生時の状況や、豊橋市、静岡県、訓練施設の運営会社の対応、市の責任を明らかにしようと起こした損害賠償訴訟の経緯などを当時の資料や写真とともにまとめ、その時々の遺族の思いも加えた。
両親は静岡県教委にも冊子を寄贈し、県内の教育委員会に配ってもらうほか、希望者には1冊千円で販売する。
事故をめぐっては、静岡県警が今年2月、業務上過失致死容疑で、引率責任者の元校長ら6人を書類送検している。