警察庁から委託を受けてインターネット上の犯罪に関する情報を収集する民間団体が、児童ポルノなど存在自体が犯罪に当たるとして、今年上半期(1~6月)にサイト管理者やプロバイダーに削除を要請した「違法情報」のうち、実際に削除されたのは57.9%で、削除率は前年同期の79.0%から大幅に低下したことが20日、警察庁のまとめで分かった。
警察庁は「特定の大手サイトがほとんど削除要請に応じないうえ、削除されにくいことを見越して違法情報が特定のサイトに集中している可能性が高い」(情報技術犯罪対策課)とみている。
児童ポルノなどネット上の違法情報や、殺人の請負や集団自殺の呼び掛けといった「有害情報」については、民間団体「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」が一般からの通報を受け、内容に応じて警察へ通報したり、削除を要請したりしている。
警察庁によると、今年上半期のIHCからサイト管理者への違法情報の削除要請7528件に対し、実際の削除は4355件。有害情報の削除要請577件に対し、実際に削除されたのは254件だった。削除されにくいサイトでは、逆に違法情報や有害情報が集まりやすい悪循環になっているという。
最近は違法情報の掲載されるサイトが海外のサーバーを利用しているケースが多く、削除の要請先となる管理者に連絡がつかないことも増えているという。
一方、IHCから今年上半期に警察へ通報のあった違法情報は1万2403件で前年同期比2.1%増だったのに対し、IHCからの情報を端緒とした検挙は575件で同2.5倍に急増している。
警察庁は昨年10月から、サイバー犯罪捜査の効率化を目指し、IHCからの情報をいったん警視庁に集約。発信元の特定など初期捜査を終えたうえで、関連する各地の警察本部に捜査を引き継ぐ「全国協働捜査方式」を始めた。