阪急阪神ホテルズなど3社に措置命令 消費者庁、虚偽表示で
食材の虚偽表示問題で消費者庁は19日、阪急阪神ホテルズ(大阪市)と阪神ホテルシステムズ(同)、近畿日本鉄道が運営するホテルなどで、実際に使った食材と異なるメニュー表示をしたのは景品表示法違反(優良誤認など)に当たるとして、再発防止を求める措置命令を出した。
対象となったのは3社合わせて15施設の55の料理。全国のホテルや百貨店などで相次ぎ発覚した食材虚偽表示で国が行政処分を出すのは初めて。
消費者庁によると、阪急阪神ホテルズは2007年1月~13年10月、ホテルなど5施設で、有機野菜を使用していないのに「有機野菜のプチサラダ」などと表示した。
阪神ホテルシステムズのザ・リッツ・カールトン大阪は06年4月~13年10月、ルームサービスや館内レストランで、ブラックタイガーを「車海老」、バナメイエビを「芝海老」などと表示した。
近鉄は10年9月から13年10月、子会社を通じて運営する9つの旅館・ホテルでブラジル産鶏肉を使いながら「大和地鶏唐揚げ」と表示するなどした。
また同社が旅行情報サイトで、旅館で大和肉鶏鍋を提供していると表示しながら13年2月以降は提供がなかったのは、景表法が禁じるおとり広告に当たるとした。
消費者庁は11月中旬、景表法違反の疑いで3社の施設を立ち入り検査。阪急阪神ホテルズや近鉄では会社からの報告に含まれなかった虚偽表示が見つかり、阪神ホテルシステムズは消費者への周知が不十分だったことから、従わないと罰則の対象になる措置命令を出す必要があると判断した。
措置命令を受け、各社は「多大な迷惑をおかけしたことを深くおわびする。今後このようなことが起きないよう再発防止に取り組む」などとするコメントを出した。